クロワッサンが元々フランス語であることは知られていますが、アメリカ英語ではどう発音すべきかご存知ですか?
アメリカほど、多言語の言葉が輸入される国もないでしょうね。そんな外国語が輸入され、英語として定着するには、いくつかの段階を踏みます。
まず大抵、綴りからアメリカ人が発音したくなる音が使われます。その時点では、例えばクロワッサンでは、フランス語では発音しない最後のt音などが堂々と、当たり前のように発音されるのです。
その内に、オリジナル言語の発音に少しでも似せようと、国際的な言語感覚を持つ人たちが、フランス語に歩み寄る段階を経ます。
ここでt音が消えるオプションが加わったり、w音を入れてフランス語風の音に表面だけでも似せる努力が始まるのです。
面白いのは、オリジナル言語に歩み寄り派と、アメリカ発音に固執派に、大きく分かれるために、辞書の中で発音オプションが増えたり、消されたりすることです。
外国語発音の習得に最も苦労すると言われる、アメリカ人、イギリス人、フランス人、そして日本人。共通点は、外国語を学ばなくても、母国語だけでも生きていけるという点でしょうか。勿論日本人の場合は、国外に出ないまま生きる場合なのですが。海に囲まれる島国であることが、外国人とのコミュニケーションに支障があっても何とかなると、安心感を与えるのでしょうね。
クロワッサンを様々な辞書で調べてみましょう。
言語の輸入から定着までの過程がうかがえて、面白いですよ。辞書によって発音オプションも色々変わってきます。
もちろん日本語単語も同様に、アメリカで定着していく過程を経ています。
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モリヤマハルカ