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英語のリズム

モリヤマハルカ

今日は、上級コース受講生の質問への回答です。 「音は全部分かるのですが いざ一人で喋ろうとすると リズムが分からなくなり、戸惑います。 リズムの作り方はどう練習すればよいでしょうか。」 長年、舞台で演じる仕事をしていると 観客の呼吸というものに大変敏感になります。 舞台に出ている間は 観客を一瞬たりとも退屈させてはいけないからです。 それは演劇でもダンスでも映画でも同じこと。 演技者のセリフや動きのリズム もしくはシーン展開のリズムが平坦で観客が退屈することを 英語ではflatlining という言い方をします。 Flatlining すると観客のこころは離れ 客席はソワソワしたり、居眠りしたり。 それを防ぐためならインプロも喜んでするのが 演じる側の心構えであるべきです。 実はその精神は 英語のスピーチそのものにも当てはまります。 上級コースでフォーカスしているのは 一つ一つの音やベーシックなリンキングではありません。 そのレベルは初中級・全音マスターコースで ある意味完了しているためです。 全ての音のメカニズムを 触覚的に、そして視聴覚的に理解し 時間さえかければ、どんな単語もフレーズも、 正しい発音で言えるようになったのですから。 上級コースでは そこからどの様に 英語のリズムを料理していくかに 焦点が当てられます。 つまり どの単語を引き立て どこでフレーズを切り どこをリズミカルに繋いで言い切り どの単語とどの単語を同じピッチに合わせ 観客(聞き手)が理解し よって味わうことが出来 惹き込まれるように話すか・・・ というトレーニングです。 全体的なリズム作りに有効なのが 伝えられるイメージごとに 文章をフレーズ分けするプロセスです。 それをスライドメソッドでは 「イメージフレーズ分け」と呼びます。 その後で いくつかのイメージフレーズをまとめて コンセプトが完結するところに長い縦線を引きます。 これが「コンセプトフレーズ分け」です。 イメージフレーズは小さな切れ目。 コンセプトフレーズは大きな切れ目です。 これで、言葉を切る場所が分かります。 ところが それだけでは本物の英語のリズムは生まれません。 やっぱりFlatliningは起こります。 必要なのは音節ごとに吐かれる 「息の山」の感覚です。 日本人でこれをはじめから真似出来る人は 殆どいません。 日本語は胸式呼吸で話すので 腹式呼吸と言葉が繋がる感覚に慣れていないためです。 腹式呼吸の話は 全音マスターコースで何度も触れることですが それでも息をお腹から十分に吐けていない自覚がある方、 上級コースでは思い切って お腹から口に入った大きな息の塊が 音節ごとの息の山となり 口からポンと出る感覚を感じる努力を そろそろ真剣に始めてみましょう。 実はその努力が、 英語音の深い響き、そしてリズムそのものを輪郭的に整えます。 そしてその呼吸の中には 正しい英語発音が 安定した状態で 自然に生まれたくなるのです。 ここに、ある生徒さんの経験者の声からの抜粋を紹介いたします。 この生徒さんは生後2歳半までNYで過ごし、 その後日本に引っ越し、 20代になって再びNYに戻られ 半年経っても発音に上達が感じられなかったために 当矯正所を訪れた女性でした。 幼児期には英語に包まれていたはずなのに全く思い出せず スライドメソッドにより英語発音メカニズムを蘇らせていく過程は 記憶喪失の人が記憶を取り戻していくような感動があり 観察していて大変興味深いものでした。 以下の記述こそが 初めて日本人が 腹式呼吸と緩んだ喉 そして軟口蓋をしっかりコントロールして発声出来た時に感じる 印象そのものです。 「日本語と比べるとピッチ(音程)を少し下げないと英語らしい音にはならない、 と知ることができたのも大きかったです。 これまで30年近く日本語のピッチでしか声を出していなかったので、 はじめはなかなか感覚がつかめませんでしたが、 体の深いところから喉を通って声を出せた時には体が振動している感覚がわかり、 体から声を発する心地よさがわかりました。」 スライドメソッド モリヤマ

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