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第5回
英語の音のやさしさ
― 包まれるような響き ―
2026年3月28日
日本語と英語では、
声の出方が少し違います。
日本語の声は、
喉の奥がやや締まった状態で生まれます。
音は口元で止まり、
相手の前に置かれるように届きます。
一方、英語の声は喉がゆるみ、
息が丸く前へ流れるように出ていきます。
音は一点で止まらず、
やわらかく広がりながら相手に届きます。
その響きには、
人をそっと包むような温かさがあります。
この違いを初めて体で感じたとき、
多くの日本人は小さな驚きを覚えます。
「あ、だから自分は英語の音に惹かれていたんだ。」
長い間、なんとなく憧れていた英語の響き。
その正体は、意味や文法ではなく、
音そのもののやさしさだったと
気づく瞬間です。
英語の音には、どこか包み込まれるような
安心感があります。
それは、相手を遠ざける声ではなく、
近づける声。
英語を学ぶことは、
難しい技術を身につけることだけではありません。
その音の世界に耳を澄まし、
息の流れを感じながら、
少しずつ近づいていくことです。
そのとき私たちは、
英語という言葉の奥にある、
美しい響きに気づき始めます。

週刊NY生活
2026年3月28日掲載
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