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外国人名はどう発音する?本人の発音・原語・アメリカ英語での読み方をどう考えるか

  • 執筆者の写真: モリヤマハルカ
    モリヤマハルカ
  • 8月3日
  • 読了時間: 10分

更新日:8月4日

外国人の名前を英語で言おうとしたとき、発音が一つではないことがあります。

日本で聞き慣れた読み方と、本人が自分の名前を言う音が違う。

本人の発音と、その名前の原語での発音が少し違う。

さらに、アメリカ人が英語の会話の中で言う音も違う。

こんなとき、どの発音を使えばよいのでしょうか。


このシリーズ「固有名詞の英語発音|この名前、英語でどう言う?」では、本人が自分の名前を言っている音を最も重要な基準として扱います。


米国議会図書館の人名発音ガイドも、複数の情報源がある中で、可能な場合は本人を最重要の情報源としています。VOAの発音ガイドも、本人へ直接確認することを最も直接的な調査方法として挙げています。

ただし、本人の音を聞いて、そのまま一つの発音だけを「唯一の正解」とすればよいわけではありません。

名前の背景にある言語とアメリカ英語では、使われる音やリズムが違うからです。

この記事では、

  • 本人の発音

  • 原語に近い発音

  • アメリカ英語での自然な読み方

を、どのように整理して考えればよいかをご説明します。




まず結論:本人の発音を中心に、三つを分けて考える

このシリーズでは、次のように考えます。

本人が自分の名前を言う音を第一の基準にする。原語の発音から、その名前の音の背景を理解する。アメリカ英語で同じ音を再現できない場合は、英語の中で自然な近似も示す。

三つの発音のうち、どれか一つを選んで、ほかを間違いとするわけではありません。

それぞれが何を表しているのかを分けることが大切です。

発音の種類

何を表すか

このシリーズでの扱い

本人の発音

本人が現在、自分の名前をどう言っているか

最も重要な基準

原語に近い発音

名前の由来となる言語での音

音の背景を理解する基準

アメリカ英語での読み方

英語の音の範囲で自然に近づけた音

実際の英語会話で使う形

外国人名の発音では、まず本人の声を探す


名前は、その人自身を呼ぶための音です。

そのため、綴りから推測した読み方や、一般的な名字の読み方よりも、まず本人が自分の名前をどう言っているかを確認します。

同じ綴りの名字でも、家族や本人によって読み方が違うことがあります。

米国議会図書館のガイドでは、一般的に想像される発音と本人の発音が異なる例として、Rita MorenoやBrett Favreなどが紹介されています。また、家族にもともと伝わっていた読み方とは異なる発音を、本人が現在使用している例もあります。

したがって、

  • この国の人だから、こう読むはず

  • この綴りだから、こう発音するはず

  • 同じ名字の有名人が、こう発音しているから同じはず

とは限りません。


本人がインタビューや自己紹介で自分の名前を言っている映像があれば、それが最初に確認する音です。


司会者の発音ではなく、本人の発音を聞く

動画を見るときには、司会者やインタビュアーが名前を言っている部分だけでなく、本人が、

Hi, I’m …
My name is …

と名乗っている部分を探します。

司会者が名前を間違えて発音し、そのまま会話が進んでいることもあるためです。

本人が訂正しなかったからといって、司会者の発音が本人の希望する発音だとは限りません。


「本人の発音」と「原語の発音」は同じとは限らない


本人の発音を確認したあと、その名前がどの言語に由来するのかを調べます。

ただし、原語は単純に「本人の出身国の言葉」とは限りません。

たとえば、

  • 家族のルーツが別の国にある

  • 複数の言語を使って育っている

  • 芸名を使っている

  • 本名の一部を組み合わせた名前で活動している

  • 英語圏で活動するため、英語に合わせた発音を使っている

といった場合があります。

そのため、このシリーズでは、国籍や綴りだけから原語を決めず、本人の経歴や名前の由来を確認します。


原語の発音を調べる理由

原語の発音を知ると、

  • どの母音が使われているのか

  • 子音をどこで作っているのか

  • どこにアクセントがあるのか

  • 何音節の名前なのか

  • 英語になったとき、どの音が変わったのか

が見えてきます。


原語の音を正確に記録するときには、IPA、国際音声記号が役立ちます。IPAは、言語によって異なる音を共通の記号で表すための仕組みで、辞書や言語分析などに使われています。

ただし、発音記号は音そのものではありません。

このシリーズでは、発音記号だけで終わらせず、実際の本人の音声、アクセント、リズム、舌や唇の使い方も一緒に説明します。


原語と同じ音が、アメリカ英語にないことがある

世界の言語は、すべて同じ母音や子音を使っているわけではありません。

ある言語では日常的に使われる音が、アメリカ英語にはないことがあります。

その場合、アメリカ英語の話者は、聞こえた音を英語にある最も近い音へ置き換えて発音することがあります。

外国語の語や名前が別の言語に入るときには、母音や子音だけでなく、音節の作り方やアクセントも、受け入れる側の言語に合うように変化することがあります。非母語の音が、聞き手の母語にある近い音へ知覚上取り込まれることも、借用語の研究で説明されています。

これは、単に発音を雑にしているということではありません。

英語の中で自然に話そうとすると、英語の音の仕組みに合わせた形になることがあるのです。


アメリカ英語での読み方は「間違い」なのか

アメリカ英語で定着した読み方が、原語と違うからといって、必ずしも間違いとは言えません。

本人自身が、アメリカ英語に合わせた発音を使っている場合もあります。

米国議会図書館のガイドでは、Marlene Dietrichの名字について、アメリカで築いたキャリアを踏まえ、英語化された発音を掲載しています。一方、ドイツで活動した人物については、ドイツ語寄りの発音を採用しています。

つまり、発音を考えるときには、

その名前は、誰によって、どの言語で、どの場面で使われているか

も重要です。

このシリーズでは、アメリカ英語で広く使われている発音がある場合、

アメリカ英語でよく聞かれる発音

としてご紹介します。

それを原語の発音と混同したり、「これだけが正しい発音です」と断定したりはしません。


実際には、どの発音を使えばよい?

場面によって、使いやすい発音は少し変わります。

本人を紹介する、本人に話しかける

本人が自分の名前を言っている音に、できる限り近づけます。

完全に同じ音を出せなくても、アクセントの位置や音節の数を大きく変えないことが大切です。


アメリカ英語の会話で、その人について話す

本人の発音を基準にしながら、アメリカ英語の中で無理なく出せる音に近づけます。

原語に忠実であろうとして、会話全体からその名前だけが大きく浮いてしまう必要はありません。


原語の発音を紹介する

原語に近い音を、IPAや音声とともに紹介します。

この場合は、アメリカ英語での読み方とは分けて示します。


英語圏で定着した読み方がある

本人の発音と違う場合は、両方を紹介します。

本人はこのように発音しています。アメリカ英語では、こちらの発音もよく聞かれます。

と説明すれば、どちらかを乱暴に否定せずに済みます。


本人が複数の発音を使っている場合


本人の発音が、一つに決められないこともあります。

たとえば、

  • 母語で話すとき

  • 英語でインタビューを受けるとき

  • 本名を言うとき

  • 芸名を言うとき

  • 活動を始めた頃

  • 現在

で、発音が少し違う場合です。

その場合、このシリーズでは無理に一つを選びません。

確認できた音声を比較し、

原語で話しているときは、この発音です。
英語のインタビューでは、この発音を使っています。
現在は、こちらの発音を使うことが多いようです。

と、場面を分けて説明します。


このシリーズでの発音の調べ方


一人ずつの記事を作るときには、次の順番で調べます。

1.本人が自分の名前を言っている音声

公式インタビュー、自己紹介、受賞スピーチ、公式SNSなどから探します。

2.複数の本人音声

一つの動画だけで決めず、可能な限り複数の時期や場面を比較します。

3.名前の由来と原語

本名、芸名、家族の言語的背景、名前の成り立ちを確認します。

4.信頼できる発音資料

米国議会図書館の「Say How?」、VOA Pronunciation Guide、辞書、言語の専門資料などを参照します。

VOAは、本人のほか、各言語の担当者、大使館、国際機関、本人の同僚、外部専門家なども情報源として利用しています。

5.アメリカ英語で実際に使われている発音

アメリカのニュース、インタビュー、授賞式、ラジオなどで、どのように呼ばれているかを確認します。

ただし、報道機関や発音ガイドの掲載内容も、常に唯一の正解とは限りません。VOAも、複数の発音が成り立つ場合があり、掲載された発音は一つの信頼できる選択肢ではあっても、唯一の可能性ではないと説明しています。

このシリーズの個別記事で表示すること

一人ずつの記事では、発音を次のように整理します。


本人が使っている発音

本人が自分の名前を言っている音声を基準にします。


原語に近い発音

確認できる場合は、IPAとともに紹介します。


アメリカ英語での自然な読み方

原語と同じ音がアメリカ英語にない場合、英語の中でどの音に近づければよいかを説明します。


一番強くなる部分

英語で名前を言うときに重要なアクセントの位置を示します。


日本語話者が注意したい音

母音を加えすぎる、すべてを同じ強さで読む、語尾を伸ばすなど、通じにくさにつながるポイントを扱います。


本人の音声と動画

本人の発音を確認できる資料と、このシリーズのShortsを掲載します。


カタカナだけで外国人名の発音を覚えない

外国人名を日本語で紹介するときには、カタカナ表記が必要です。

ただし、カタカナで書かれた名前と、英語で実際に発音される名前は同じではありません。

カタカナだけでは、

  • どこが一番強いか

  • どの母音が弱くなるか

  • 子音で音節が終わるか

  • 音がどのようにつながるか

  • 舌や唇をどこで使うか

までは十分に伝えられません。


このシリーズでは、カタカナを英語の完成形にはせず、本人の音声を聞きながら、英語のアクセントとリズムで名前を言えることを目指します。


相手に直接、名前の発音を聞くには


本人と話せる場面では、尋ねることが最も確実です。

Could you tell me how to pronounce your name?お名前の発音を教えていただけますか。

もう少し気持ちを添えるなら、

I want to make sure I pronounce your name correctly.お名前を正しく発音したいと思っています。

と言えます。

名前の発音を尋ねることは、失礼ではありません。

わからないまま推測し続けるよりも、相手の名前を大切に扱おうとしていることが伝わります。


まとめ

外国人名の発音を考えるときには、

本人の発音原語に近い発音アメリカ英語での自然な読み方

を分けて考えます。

このシリーズでは、本人が自分の名前を言っている音を最も重要な基準にします。

そのうえで、原語ではどのような音なのか、アメリカ英語ではどのように近づければ自然なのかを説明します。

名前は、綴りを正しく読むためだけの問題ではありません。

その人を、どのような音で呼ぶかということです。

一つの「正解らしい読み方」を押しつけるのではなく、本人の声を聞くところから始めます。


今後公開する「固有名詞の英語発音」


この基本記事を入口として、アーティスト、作曲家、俳優、クリエイターなど、一人ずつ名前の発音を解説していきます。

各記事では、

  • 本人の発音

  • 名前の由来

  • 原語に近い発音

  • アメリカ英語での読み方

  • アクセントとリズム

  • YouTube Shorts

を一つにまとめます。

「この名前、英語でどう言う?」と思ったときに、一人ずつ確認できる発音辞典を作っていきます。


参考資料

  • 米国議会図書館「Say How? A Pronunciation Guide to Names of Public Figures」

  • VOA Pronunciation Guide

  • International Phonetic Association, Handbook of the IPA

  • Sharon Peperkamp, “A Psycholinguistic Theory of Loanword Adaptations”

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